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流浪の月  (2022  日本)

流浪の月  (2022  日本)


原作
凪良ゆう
脚本・監督
李相日
撮影監督
ホン・ギョンピョ
音楽
原摩利彦
製作総指揮
宇野康秀


広瀬すず(家内更紗)
松坂桃李(佐伯文)
横浜流星(中瀬亮)
多部未華子(谷あゆみ)
趣里(安西佳菜子)
三浦貴大(湯村店長)
白鳥玉季(10歳時の更紗)
増田光桜(安西梨花)
内田也哉子(佐伯音葉)
柄本明(阿方)


あらすじ

雨の公園で、10歳の少女・家内更紗がびしょ濡れになっているのを目にした19歳の大学生・佐伯文。更紗に傘を差し出した文は、引き取られている伯母の家に帰りたくないという彼女の気持ちを知り、自分の部屋に入れる。そのまま更紗は文のもとで2か月を過ごし、そのことで文は誘拐犯として逮捕されてしまう。被害女児、加害者というらく印を押された更紗と文は、15年後に思わぬ再会を果たす。

(シネマトゥデイより、あらすじ、キャスト引用)


感想

原作を読んでからの映画鑑賞。

150分の長編。最後まで二人の行く末を見届けたいという思いがあったので(内容知っていてもなお・・・)
長さは感じませんでした。
映像がとても美しく、さらに、役者さんがそれぞれ熱演で、原作を読んだものとしては
作品の空気感や、登場人物のイメージを、壊わすことない、作品になっていたと思っています。
それでも、テーマが重苦しいので、なかなか
楽しかった・・・という感想にはたどり着かないのが、正直なところですけどね(笑)

「悪人」「怒り」とともに、重い作品・・・ばかり。。。ですねえ・・

雨の公園から始まり、現代のパートへ(15年後、更紗のファミレスバイト&恋人との生活)
映画の中では、過去に戻ったり(回想シーン)、現代に戻ったりする場面は多いのですが、
自然な形で、違和感はなかったです。
現代のパートで、恋人と幸せな生活を送っているだろう更紗なのに、どこか作り笑い的な、無理を感じる様子に対し
回想シーンでの文との穏やかな生活をおくる更紗との対比が、やはり、印象的で、
みていて、なんども、せつなくなりました。
本当の自分でいられる、心地よさのある、居場所って、どこなんだろうと・・・。

「更紗は更紗だけのものだ。誰にも好きにさせちゃいけない」といった文の言葉や
「人は見たいもののように見る」といった
更紗の言葉がとても印象的でした。

更紗と文との2か月の生活の中、
更紗が夕食時に、アイスクリームを食べたり、ケッチャップを口につけたり
好きなだけピザを食べたり、読書をしたりととても自由な生活をするわけなんですが。
更紗がどういった生活を今までしてきたかというバックボーン(両親が健在のときね)、両親がどういったキャラであったのか、というのは、原作ではもう少し書いてあったような記憶があるので、そこを補うべく、未読ならば原作も続けて読んでもみると
より映画に深く、入り込めるのではないかなって思いました。文との生活は、ある意味、家族3人でいたときと
同じ自由さを感じたという位置づけになるからです。

もちろん、それは、ラストもそうなんですが。原作だともう少し、前向きな感じで終わる印象だったし→確か喫茶店を開いて
生きていく感じで、梨花ちゃん(沖縄に遊びに行ったパート仲間の、一人娘ね)自体も、二人の前途を限りなく応援
しているという記憶です。
映画だと、文の衝撃の告白(映像でみせる~~わけだけど、かなりのインパクトではあると思う)からの、
二人で寄り添おう・・という流れで終わってしまうので
これからの道のりが、より一層、どよ==んと重く感じた印象でしたね。

でもそれは原作を読んでいるから感じたことであって、映画としては、とても良かったです・・・・・私は満足。


俳優陣について。
原作の感想でも触れましたが。
●横浜流星君のDV彼氏が凄かった~~(笑)、確か空手が強かったんだよね?こんなことで実力発揮とは(笑)
広瀬すず演じる、家内更紗を足蹴りするとき、めちゃ、怖かった==、顔面血だらけのすずちゃん、演技だとわかっていても
見るにたえなかったもん。顔のアップも多かった作品だけど、目がもう、血走っていたよ・・・りょう君は・・。
私はドラマ、デビューのイケメンさわやか青年から入った身なので、びっくりしたよ
●趣里ちゃん・・・、安西さんピッタシ。この間、趣里ちゃんの主演の映画みたばかりだったけど、こういう無責任な母親役
似合っていた~~(笑)
●三浦貴大・・湯村店長って、もしかして、三浦さん?太った?でも活躍していて良かったよ。いい人オーラ、ここも適役。
こういう見方もできる人もいるっていうのは大事よ
●多部未華子・・・・谷さんだね。多部ちゃんでているの知らなかった・・・好きなのよね。今回地味目の感じだったけど
さすがに、泣きの演技は凄かった・・大きな目からぐちゃぐちゃ・・・・って感じで。でも可愛い・・(笑)
●内田也哉子・・・知らなかった…出演していたの。そしておかあさんに似ているね。こちらも顔アップ多かったので、よくわかるわ。



●松坂桃李・・・佐伯文役ね。とにかく、痩せたな~~~という印象。セリフも少なく、大変だったと思うわ
抱えている闇も深い、役柄だしね。顔の表情だけで苦悩を演じていてそこも凄かった。目に輝きがなかったものね。
どよ~~んとした感じで。あと背が高い印象の俳優さんだったけど、この映画では、それが感じられなかった。ひっそりと生きてきたのがわかるわ・・。幅広い役柄、演じていて、成長しつづけている印象。
最近の作品はあまりみていないけど、やくざのやつとかね。そうそう、最近、「娼年」も少し観たけど、あれは途中で挫折してしてしまったからねえ・・そういえば、予告で「耳にすませば」をみたわ。今度はさわやかそうねえ~~(笑)

●広瀬すず・・家内更紗役ね。
大人の役をやるようになったのね・・・・という印象。今回、おお~~ここまで演じているのね。。。ってこちらもびっくりしたかな
りょうくんとのシーンで・・・そっち系のシーン多かったもんね

●白鳥玉季・・10歳時の更紗
凪のお暇、テセウスの船・・・で、子役さんとしては見たことある程度。それまで広瀬すず・・・に似ているなんて思わなかったけど、
今回、映画見ていて・・・もちろん、ドラマのときより成長して大人になったということもあるんだけど、
すずちゃんみたいな女性に成長するね・・と思わせる雰囲気がでていて、すでに立派な女優さんだったわ。


部屋に転がるビー玉とか
ひらひら揺れるカーテンとか
空を飛ぶ、無数の鳥や
雨・・水のシーン。
引き離されるシーンが動物園から湖に変更にはなっていましたけど
私は、湖・・・良かったです。映像効果がでますね・・・あの桟橋、とても絵になります。
あと、文が読んでいる、ポーの詩集。あれも良かった。あれ、ひとり・・という詩なんですね。読み返してしまいました。

004 rurounotoki
(シネマトゥデイより画像引用)
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「流浪の月」ネタバレ感想

原作は以前読んだことがありました。

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No title

みみこさん、こんにちは。コメントありがとうございました。
この映画とってもよかったよね、、、で、珍しく原作読んでから観るほうがいい作品だと感じました。
普通、読んでから観るとガッカリすることが多いけど、これは映画もよかったよね。
特にみみこさんも書かれている更紗の両親のことがほとんど描写されてないから、柄本さんのシーンがとってつけたように感じてね~。
ほんと、映画観て気になる人には是非原作読んでほしいね。
で、ラストの解釈だけど、私は希望を感じるいいラストだと思った。
「そのときはまた二人で流れていけばいいよ」っていう更紗のセリフに、そうそう!そうよ!って全力応援モードだった(笑)。

和歌山のアイスクリームが食べたい

真紅さんへ

こんにちは
劇場で鑑賞出来て、良かったです。
原作の雰囲気、そのままで、満足感あったわ。
そうそう、原作読んでからの方がいいですよね。
私は主演二人に、決定した時から、とくに、え~~~という
違和感などはなかったのですが、ただ、流星君のりょうが・・心配
だったなあ・・
でも、思った以上の、DV男化だったので、安心しました(笑)

<柄本さんのシーンがとってつけたように感じてね~。>

そうね・・・あの一瞬だけでしたよね
そういえば、監督作には、いつも柄本さん、出演していたような・・・

<「そのときはまた二人で流れていけばいいよ」っていう更紗のセリフに、そうそう!そうよ!って全力応援モードだった(笑)。>

おお~~そうでしたか・・・
私は原作のときは、そこまでラスト重さ感じなかったんだけど、
映画は、心配にはなってしまって。
桃李君の、最後のカラダを
はった告白のインパクトが凄かったので、
その流れを引きずりすぎたかな。
心配性なもので
どよ~んとしてしまったかなあ・・(笑)

No title

みみこさん、こんにちは!
そっか、ご覧になっていたんだね!うっかりしていたよ。

>「悪人」「怒り」とともに、重い作品
そうよね、でも暗い映画は割と好きだから、私はこの監督さんとは相性が良いのかなーと思っている。

そうなんだよねー ラストは小説版の方が幸せにやってるんだな、ってのが感じられて明るいよね。

本作は最後の文君のシーンがインパクトあり過ぎて、びっくりだったよ。

遅くなってごめんね

latifaさんへ


立て続けに、見ごたえのある作品、鑑賞していて
うらやましいわ
公開からわりと早くに自宅で鑑賞できるようになったよね


そうよね~~暗いよね
考えさせられる作品多いけど
私もそういうの好きよ


<本作は最後の文君のシーンがインパクトあり過ぎて、びっくりだったよ。>

そうそう・・・ああくるとは、思わなかったもん
インパクトありよ・・・
見せられた方も、びっくりだと思うけど・・・
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