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輝きの海 

輝きの海  (1997)  (イギリス)
監督 ビーバン・キドロン 
製作: ポリー・タップソン
   チャールズ・スティール
原作: ジョセフ・コンラッド 
脚本: ティム・ウィルコックス
撮影: ディック・ポープ 
音楽: ジョン・バリー 
 
出演: レイチェル・ワイズ 
ヴァンサン・ペレーズ 
イアン・マッケラン 
キャシー・ベイツ 
ジョス・アックランド 
トム・ベル 
ゾー・ワナメイカー 

 
英文学の巨匠ジョセフ ・コンラッドの短編『エイミー・フォスター』
の映画化。

イギリス南西部、コーンウォール。
無口で人から変わり者とみなされている
エイミーは海だけが心の友だった。
ある日、嵐で難破した船の唯一の生き残り
ヤンコが村に現れる。村人たちと言葉の壁からコミュニケーション
がとれない彼もまた、孤独に悩まされる人間だった。
そんな彼にエイミーは優しく接する。
いつのまにか、お互い恋心が芽生えて・・。


感想   期待しないで観たらこれがとっても良かったですね。
ちょっとうれしくなって皆に報告したくなる作品でした。
お話はとっても暗く、けっしていい気分になる映画では
ないのですが、主人公2人の逆境をものともせず、突き進む姿に
かなり、胸熱くさせられます。
なんといってもレイチェル・ワイズが素敵です。
芯の強さを感じさせるきりりとした表情、神秘的なたたずまい
もの哀しい目線ではあるものの・・・惹きつけられてしまう・・・そんな魅力ある女性像をつくりだしておりました。
彼女の作品は、初期の物をいくつか見ているのですが、
こういった陰りのある女性像がとても似合いますね。


閉鎖的な小さな村。
よそ者や、変わり者に対してはひどく偏見をもって
接してしまう人々ばかり。これは現代でも重なる部分がありますよね。
人って、噂話や見かけの姿に惑わされやすいものですからね。
でもでも、当然、中には、彼らを理解しようとつとめる人々もいるわけです。人間って、すべてが悪い人ばかりではないんだよね・・
どこかに自分達を理解し、認めてくれる人がいるっていうのは
うれしいことでもあります。
ヤンコ(ヴァンサン・ペレーズ)は、見知らぬ土地からきた人物。よそ者です。
そういったものにひどく敏感な人々にとっては当然、敵対視する
人物としてみてしまいます。
目を覆いたくなるほど、扱いはひどかったですね。
アメリカに夢と希望を求めて、向かったのに、
その夢は志半ばで、敗れ去り、やっとたどり着いた土地での
仕打ちですよ。うらんでしまうの当然なのに、与えられた運命を
受け入れる姿には涙・・・です。
ヤンコの昔の姿を知っている分、つらさが増すのです。
そんなヤンコをケネディ医師(イアン・マッケラン)だけは
擁護します。彼の才能を認めていたからかな。難破船からの
タダ1人の生き残りということで同情感があったのかな・・。
常識的な人間としての当たり前の行動からかな。
と色々な考えが浮かびます。ですが、ここで疑問が。
ケネディ医師は住民のエイミーには、村人達と同じように
冷たい目線をおくるんですよ。ここで思うことは
、この医師が、ヤンコにこだわるのは、もしかしたら
ヤンコへ愛を抱いているのかもしれないという推測。
ここはあくまでも私が感じたことですが、単なる人助けとは
思えないふしも作品自体に感じられるからです。

エイミーは、不幸な出生の秘密を持っています。
親の愛に恵まれず心を閉ざしがちで、海だけを理解者としてきました。
そんな境遇の彼女だから、ヤンコと結びついていくことになる
話の展開には、喜ばしいものを感じました。
幸せになってほしい・・・・なって欲しい・・・
そう思いながらの鑑賞でしたが、
些細な行き違いから結局、哀しい結末を迎えてしまいましたね。
それでも・・・2人が歩んできた日々は、いつわりのないものだったのだから、悲しむべきことばかりではないと思います。

ミステリアスな雰囲気を漂わせた
ラブストーリーでした。車椅子生活をしているミス・スォファー(キャシー・ベイツ)もいい味だしております。けしてホラー的な人物ではないです・・笑
レイチェルの新作
「ナイロビの蜂」もまもなく公開ですね。
今度はどんな女性像をみせてくれるのか・・

楽しみです・。







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嵐が遺したもの~「輝きの海」

高校生の頃まで、英国の映画が特に好きだった。というのも、今でも映画を選ぶときには出演している女優さんが要になるのだけれど、当時は英国の女優に憧れていたから。その一人がレイチェル・ワイズ。「ハムナプトラ」シリーズや「スターリングラード」のヒロインを演じてい

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私、この映画のミステリアスなレイチェル好きです!
やはり色々と考えさせられる映画でしたが、出演陣の演技や荒々しいまでの自然が印象的でした。
他に記事にされている方見たことがなかったので、嬉しい~。
他の作品と一緒にちょっとまとめてTB
させていただきますね~。

リカさんへ

おはようございます。
この作品のレイチェルは素敵でしたよね。
ラブシーンもとっても綺麗で、
好きな作品です。リカさんもお気に入りのようでうれしいわ。もっと多くの人に
観てもらいたいよね・・・

みみこ様

こんばんは。たびたび失礼致します。

みみこ様のレポートを読ませていただいたのですが、つくづくこの作品の深さを感じずにいられません。

おっしゃるドクターとヤンコの関係、わたくしは親子に近いものだろうと考えていました。
チフスに罹った妻子をみすみす死なせてしまった後悔の念が、彼をヤンコの庇護者とさせたのではないかと思ったからです。単純かも知れませんが…。

途方も無く長い歴史がこの物語の背景にあって、愛し合う二人にも背負いきれなかったのでしょうね。でもステファンにはせめて明るい未来が待っていて欲しいです。

…あ、あとこのハンドルネームが誤解を生じさせたようなので一言おことわりさせていただけますでしょうか。

四郎なんて名乗っておりますが、♀です。
他ではローマ字表記にしてあったのですが、shiroという名前でビッグネームな方がいらっしゃるようで、その方と混同されるといけないな~と思いまして、急遽漢字にしてしまいました。

因みに出所は神谷 悠さんという漫画家さんの昔の作品に出てきた男の子の名前です。四つ子の四番目で、シロくんといいます。線目(笑)のちょっと小生意気な子なのですが、顔と髪型が当時(今もか?)のわたくしにそっくりだったので拝借しました。

お詫びの文でこんなに長くなってしまってすみません。
お許し頂けるようでしたらまたお邪魔させてください。…では。



四郎さんへ

おはようございます。
レス遅くなり申し訳ございません。
さらに・・・。
私、とんでもない勘違いをしておりましたね。
本当申し訳ございません・・。
お気を悪くしておりませんでしょうか・・・。
いつも丁寧にコメントしてくださるし、
ネームのこともありまして、
勝手に想像してしまいました・・・。
漫画家さんの作品からの引用なのですね・・。
どんな作品なのかしら。興味あるわ~~。

これに懲りずに
また、ご訪問してくださるとうれしいです。
作品の感想もありがとうございました・・。
自分以外の人の見方がわかると
私も色々な発見ができて楽しいです。

No title

みみこ様

わっ、びっくりした。…おお、秋バージョンですか?素敵ですね~どんぐりが可愛い。

これ(輝きの海)お勧め頂いてからすっかりヴァンサン・ペレーズの虜になってしまって「王妃マルゴ」←無修正版だったから目のやり場に困りました^^;。と、「花咲ける騎士道」とたてつづけに見てしまいました。

…しかしなぜいきなり彼に堕ちたのか?と自分なりに分析したところ、以前わたくしが重~い中毒症状に陥っていたダグレイ・スコット氏に似てるんですね…結局顔か…。
「花咲ける騎士道~ファンファン・ラ・チューリップ」面白かったですよ。まるでジャッキー・チェンのような軽妙なアクション娯楽大作です。特典映像も見逃せません。

もしご覧になっていないようでしたらお勧めです。みみこ様のご感想お待ちしております…では。

面白そう~

四郎さんへ


おはようございます~
気分転換をはかってみました
あれから・・色々ご覧になって
いるのですね。
ヴァンサン・ペレーズに嵌ったとか・・。いいですよね・・彼も
私はあまり彼の出演作は
観ていないので、ご紹介してくださった作品、いづれチェックしてみたいと思います。
題名だけは知っているんだけどね・・なにしろ機会がないと
見逃してしまうことが多くて。。
ダグレイ・スコット・・氏
に似ているんですね。
悲しいかな・・私ちょっとお顔が思い浮かばなかったので
思わず検索してしまいました
Mil:2で敵役・・・
そうなんですか・・・。
私、これは観ています。
そうですか・・あの方・。
悪役って素敵な方が多いですものね、

色々教えてくださり
ありがとうございます。
ビデオ選ぶリストに
しっかり載せておきますね。
特典映像楽しみ~~
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