ブロークバック・マウンテン
ブロークバック・マウンテン (2005)
(アメリカ )
監督 アン・リー
製作: ダイアナ・オサナ
ジェームズ・シェイマス
製作総指揮: ラリー・マクマートリー
ウィリアム・ポーラッド
マイケル・コスティガン
マイケル・ハウスマン
原作: アニー・プルー
脚本: ラリー・マクマートリー
ダイアナ・オサナ
出演: ヒース・レジャー( イニス・デル・マー )
ジェイク・ギレンホール ( ジャク・ツイスト )
ミシェル・ウィリアムズ ( アルマ )
アン・ハサウェイ ( ラリーン・ニューサム)
ランディ・クエイド ( ジョー・アギーレ)
リンダ・カーデリーニ ( キャシー)
アンナ・ファリス ( ラショーン・マローン)
スコット・マイケル・キャンベル ( モンロー)
ケイト・マーラ ( アルマ・Jr.)
2人のカウボーイの20年にわたる
愛の物語。
1963年、ワイオミング。ブロークバック・マウンテンの
農牧場に季節労働者として雇われた2人の青年。
イニスとジャック。彼らは山でキャンプをしながら
羊の管理を任される。対照的な性格の2人であったが
仕事をする中で次第に友情が芽生え始める。
やがて、それは友情を超えたものへと変わっていく・・
感想 アカデミー賞監督賞・脚色賞・作曲賞、ヴェネチア映画祭グランプリ金獅子賞、ゴールデングローブ賞作品賞受賞作品。
公開もそろそろ終る頃、ぎりぎりで鑑賞できました。間に合って良かった~~♪
舞台になるブロークバックマウンテンの雄大な景色はやはり
大画面で観ておきたかったですからね。
さて、作品ですが、せつない愛の世界でした。
結ばれないとわかっている愛の形は、どんなシチュエーションでも
胸が締め付けられる思いがします。
今回、男同士の恋愛です。それゆえ、人によっては
観る前から、共感できないのでは・・・という思いにとらわれる人も
いるでしょう。でも、この作品は同性間の恋愛の是非を問うという
次元のお話にとどまらず、誰でもが経験する、またはするであろう
人が人を愛するゆえの悩み、戸惑い、喜びが、
色んな立場、角度から描かれているのです。だからこそ、
観た人によって様々な感じ方ができると思います。
私も、同性愛映画はいくつか観ておりますが、当事者だけでなく、
彼らにかかわる家族・・妻、子、両親と多方面にわたって
描かれていた作品は初めてでした。
同性愛映画としては、幅広い視点から描かれていたと思います。
これはもう、同性愛映画というよりもシンプルな恋愛劇として
観た方がいいとは思いますが、やはり私の中では
男、女という性のありかたについて考えてしまうところがありました。
この作品、観る人の状況、男性、女性、既婚者、独身者
自分自身の恋愛観によっても感想は、変わってくるでしょうね。
様々な感想が出てきているということは、語りがいのある作品ということでもあるはずですよね。
私、中一日おいて2度目鑑賞もしてきました。
鑑賞中のおいて、涙が出たとか、心が震えたというものまでは、行き着かなかったのですよ、私。もちろん、せつなさも、苦悩も
理解できましたし、場面、場面で各々の登場人物に
感情移入もしておりましたが、割と淡々とした感じで鑑賞しましたね。
設定がどうのという以前に、これは私という人間性の問題でしょうね・・・・笑
ただ、2度鑑賞するのは滅多にないのですよ。過去作品においては
「めぐりあう時間たち」だけですし。あれは、実際、どか~~ん!!ときて、すぐに足を運んだのですがね。でも、この作品の場合、
鑑賞理由がまた違うんですよね。ドカ~~~ン!!ときたから
もう一度観にいきたくなったというわけではないの。
なぜか、ひっかかる部分があるのでそれを確かめにいきたくなった
ということですかね。一度目の感想で家に帰って、
ぼ~~~としながら、感想でも書こうと思って、
何故か考えてしまったんですよ。色々とね・・・・笑
観終わってすぐにパ~~と忘れて現実世界に戻ることのできる
作品もありますが、この作品の場合、あとを引くんですよね・・
感動したからもう一度観にいったというよりも、なぜ、気になるのか
ということを確かめにいくために、もう一度出かけたということかな・・・。結果、2回目においても実に淡々として鑑賞しました。
おいおい・・・・・笑
この映画は、あまり説明だてた描写がないんですよね。
それゆえ、観ている私たちがどれほど、
察することができるかで、ストーリーの理解度も変わってくると
思うんです。相手のことをどれだけ、理解できるかで、
一つ一つの行動の意味の深さを知ることになるのです。
だから足を運びたくなったのかもしれませんね。
自分の覚書にもしたいので、かなりネタバレです・・。
イニスとジャック。
彼らは仕事仲間として出会います。
周りから遮断された孤独な仕事場。2人だけで語り合うことで
お互いを理解し始め、苦労を共にすることで
連帯感が生まれる・・・。ジャックは・・・・
どうも、自分の性癖に気づいている部分がありそうです。
これはなんとなく・・・・ですが・・
視線が物語っていたように感じます。ジェイク君ってもともと
ウルウル系の目なので、余計、情がわきますよね。
性格的にも、自分の感情を押し出すタイプなので、自分の
欲望の対象がどこにあるのかは、素直に意識できたんじゃあ
ないのかな。
一方のイニスは、ジャックに出会う前から結婚相手が
いることからも、自分が同性愛者だとは、まったく意識していなかったと思われます。いや、本当は潜在的な要素として、それはあったのかもしれないけれど、過去のトラウマ(父親がゲイのカップルの片割れを殺した・・)ゆえ、自分自身も気づかないうちに、自分の本来の姿を
封印してしまっていたように感じます。
唐突に思えるテント内での肉体関係ですが、
↑のように考えれば、すんなり納得はできます。
一気に感情が爆発したと解釈できるでしょう。
もちろん、同じようなシチュエーションでも、行為に及ばない人は
いっぱいいるわけですよね。淋しいだけとか、友情があるから
だけで、行為まではいきつかないでしょう。やはり
その気があるもの同士と思わずにはいられませんよね。
そう考えると、これはまさしく、どんぴしゃ!!、
貴重な出会いでもありますよね。
2人は、初めての行為のあと、自己嫌悪に落ち(イニスの方か・・)
あれは一度きりだ・・と
確認しあいます。
社会的に認められていない行為と考えていた分
自分達が許せなかったところがあるのでしょう。
とくに、イニスにとってはゲイであるという事実を認めるということは
非常につらいことだったに違いありません。(それは過去のトラウマから・)しかし・・・言葉とは裏腹に
体は相手を求めてしまう。
ああ・・・これは理屈では止めることのできない、
人間の性なんだと観る者は気づくのです。誰が彼らを責めることが
できましょう。人が人に惹かれるというのは、もはや理屈では
解せないのだとも気づくのです。
戸惑いながらもジャックに寄り添うイニスを、そっと受け入れるジャック。 「いいんだよ・・・自分に正直になって・・」
とでもいいたげでしたね。迷いが吹っ切れたぶん、2人はただ、相手だけを見つめる
至福の時間を過ごします。それは・・・ブッロクバックマウンテン
だけが知っている秘密。でもかけがいのない大切な日々。
ここらへんの経緯は個人的には好きです。
もちろん、そこに行き着くまでのお山での生活も当然
見所だったわ・・・と感じております。
羊さんとの交流・・?・・笑
いや、お仕事風景や、お食事の支度など(豆ばかりだったけれど、一度食したいわ)
自然に恵まれた中での生活ぶりは、清清しいものでしたし、
なぜか癒されるものがありました。大自然の中であったことも
2人の関係を、素直に受け入れ、至福の時間を温かく見守る
ことができたのかもしれませんね。
でも、逆に山から降りてからは状況は一変します。
麓の世界はすべて現実。社会の歯車の中に組み込まれていくしかない
2人にとって、独自の世界を確立することは非常に
困難だたのですよね。
そこで私の感情も少しずつ変わってくることに
なるのです。
20年にわたっての愛の継続ということが
実は実感としてよくわからない部分があります。
1人の人を同じ気持ちのままで思っていられるということは
非常に困難なことであると思っているからでしょうね。
愛は形を変えていくものだと感じるから。
皮肉な言い方だけど、彼らが生活を供にしなかった、あのような
関係だからこそ、20年という長い月日まで関係が持続できたのでは
ないのかな・・・とさえ感じるのです。
彼らの愛したものってある意味、あの頃の
美しい日々だったのかもしれませんよね。
あのままの心で永遠にいられるなんて
それは綺麗ごとでしかないんじゃあないかな・・って思っている
私がいたのも事実ですね。それがどこか冷静に
観てしまった部分でもあるのかもしれませんね。
彼らが別れてから4年。
それぞれは、家庭を持ちます。子どもも生まれます。
時代も、社会の仕組みも当然、そうだったのだから、
当たり前の行動だったのでしょう。
でも、帰るところがあるという基盤を作ってからの
行動がどうしても気になっていたかな。
結婚にたいして、家庭に対しての責任の部分で
どうも解せないところがあったかな。
それはやっぱり私の結婚観や、男にたいする理想像を
どこかで照らし合わせていたところがあるからだと思うんですよね。
ここで私が女だという意識をとっても感じたわね。
もちろん、妻ということや母ということもね。
だからこそ、再会後の彼らが、あまりにも家庭、うん・・妻よね
の存在を意識しなくなっていくという過程が
許せないでいたのかもしれないです。
数ある中から選んだ女性ということは、なにかしら惹かれるものがあったのでしょう。ジャック、イニス双方間で
交わす感情とはまた違ったものを妻達には持っていたには
違いないと思いますが、それが相手に説明たてることもなく
壊されていくのはやはり観ていては耐えられなかったですね。
浮気相手に嫉妬されることもない妻の存在って
そりゃ・・・・残酷なことですよ。妻と寝ても、嫉妬されないんですからね。あら・・完全に妻の気持ちだね・・・・笑
イニスの結婚生活ぶりが
描かれますよね。一見、幸せそうにみえるのに、心の中では
はジャックを思っていたということですよね。
1人の人を思い続けるということは純粋な愛情であるといい、それが他人の思いを無視した上で成り立つ
感情だとしても人はそれは正当化してしまう。
もちろん、それが不倫だって同じだろうけれど今回の場合、なぜか私
厳しい見方をしてしまいました。それは妻が事実を知っていながらも
それを責めることもせず、黙って見守っていたという健気さに
あるのかな・・・とも感じます。
それは相手が男だったから?どうかな・・・そうなのかな。
周りを傷つけない愛など存在しない・・
そう・・存在しないのですよ・・・でも・・・・でも・・
あの奥さんは可哀想だったのよ。・・。それだけ、リアル感があったのかもしれないわね。
イニスは、奥さんを抱く時・・
「避妊して・・・」という奥さんの言葉に「俺の子どもを産む気が
ないのなら抱かない」といいましたよね。
これがね。。。決定打だったね・・・笑
私は解せないのですよ。これはすでに2人の関係が冷めた証拠だと思ってはみても、そんなひどい言葉を投げかけてしまう人間性が
どうも解せないのですよ。
みんながそれぞれ苦しんでいる・・・もちろん、イニスが
苦しんでいたのはよくわかりますよね・・
でもいつまでも自分本位なところが、ちょっとね・・・・って思いましたね。
愛・・愛・・・そうだよね・・・・。愛する人だけを見つめていたいから周りなんてみえない?よね。
恋愛が全てか・・・・。人生において全てになっているのか・・。
そういう思いって自分には今ないような気がするので
ある意味うらやましくも感じているのかもしれません。
家族にすまないと、こちらのほうに罪悪感も
感じながらの逢引だったら、もうちょっと感じ方も変わってきたと
思うのにそれがなかった・・・・。イニスの苦悩は、ジャックと一緒に
なれないこと・・・・。その純な思いが、
周りを見えなくする思いが、怖かったりもしました。
愛って残酷だよね・・本当に。
ジャックに対してだってイニス、もうちょっと労わってあげてよ・・って思いましたね。
いくらトラウマがあったとしても、もう少しなんとかしてあげたら
良かったんじゃないの。会いに行くのはいつもジャックだったし。
可哀想よ・・ってね。
彼は彼なりにどうしようもなかったということだろうけれど。
イニスの不甲斐なさがどうしようもなく私はいやだったのかもしれないよね。
自分に輝かしい素敵な想い出があるとしてそれを
永遠に自分のものにしたいのならば、そこで時を止めることだと
思います。前に進まず、そのままの形で
しまいこむべきでしょう。純愛はそれでこそ、形になるのかも
しれないな・・・なんてそんなことをちょっと感じたりも
しました。
色々言っていますが、
これほど、自分の思いをぶつけることができる作品は
やっはりクオリティーが高いのかもしれないわ・・・と
今になってしみじみ感じているこの頃です。
ヒース・・・もジェイクも以前から好き♪
良かったわ。素晴らしい演技だったわ。
今回、ヒースの変わりように驚いたわね。すっかり雰囲気が変わって
いました。

(アメリカ )
監督 アン・リー
製作: ダイアナ・オサナ
ジェームズ・シェイマス
製作総指揮: ラリー・マクマートリー
ウィリアム・ポーラッド
マイケル・コスティガン
マイケル・ハウスマン
原作: アニー・プルー
脚本: ラリー・マクマートリー
ダイアナ・オサナ
出演: ヒース・レジャー( イニス・デル・マー )
ジェイク・ギレンホール ( ジャク・ツイスト )
ミシェル・ウィリアムズ ( アルマ )
アン・ハサウェイ ( ラリーン・ニューサム)
ランディ・クエイド ( ジョー・アギーレ)
リンダ・カーデリーニ ( キャシー)
アンナ・ファリス ( ラショーン・マローン)
スコット・マイケル・キャンベル ( モンロー)
ケイト・マーラ ( アルマ・Jr.)
2人のカウボーイの20年にわたる
愛の物語。
1963年、ワイオミング。ブロークバック・マウンテンの
農牧場に季節労働者として雇われた2人の青年。
イニスとジャック。彼らは山でキャンプをしながら
羊の管理を任される。対照的な性格の2人であったが
仕事をする中で次第に友情が芽生え始める。
やがて、それは友情を超えたものへと変わっていく・・
感想 アカデミー賞監督賞・脚色賞・作曲賞、ヴェネチア映画祭グランプリ金獅子賞、ゴールデングローブ賞作品賞受賞作品。
公開もそろそろ終る頃、ぎりぎりで鑑賞できました。間に合って良かった~~♪
舞台になるブロークバックマウンテンの雄大な景色はやはり
大画面で観ておきたかったですからね。
さて、作品ですが、せつない愛の世界でした。
結ばれないとわかっている愛の形は、どんなシチュエーションでも
胸が締め付けられる思いがします。
今回、男同士の恋愛です。それゆえ、人によっては
観る前から、共感できないのでは・・・という思いにとらわれる人も
いるでしょう。でも、この作品は同性間の恋愛の是非を問うという
次元のお話にとどまらず、誰でもが経験する、またはするであろう
人が人を愛するゆえの悩み、戸惑い、喜びが、
色んな立場、角度から描かれているのです。だからこそ、
観た人によって様々な感じ方ができると思います。
私も、同性愛映画はいくつか観ておりますが、当事者だけでなく、
彼らにかかわる家族・・妻、子、両親と多方面にわたって
描かれていた作品は初めてでした。
同性愛映画としては、幅広い視点から描かれていたと思います。
これはもう、同性愛映画というよりもシンプルな恋愛劇として
観た方がいいとは思いますが、やはり私の中では
男、女という性のありかたについて考えてしまうところがありました。
この作品、観る人の状況、男性、女性、既婚者、独身者
自分自身の恋愛観によっても感想は、変わってくるでしょうね。
様々な感想が出てきているということは、語りがいのある作品ということでもあるはずですよね。
私、中一日おいて2度目鑑賞もしてきました。
鑑賞中のおいて、涙が出たとか、心が震えたというものまでは、行き着かなかったのですよ、私。もちろん、せつなさも、苦悩も
理解できましたし、場面、場面で各々の登場人物に
感情移入もしておりましたが、割と淡々とした感じで鑑賞しましたね。
設定がどうのという以前に、これは私という人間性の問題でしょうね・・・・笑
ただ、2度鑑賞するのは滅多にないのですよ。過去作品においては
「めぐりあう時間たち」だけですし。あれは、実際、どか~~ん!!ときて、すぐに足を運んだのですがね。でも、この作品の場合、
鑑賞理由がまた違うんですよね。ドカ~~~ン!!ときたから
もう一度観にいきたくなったというわけではないの。
なぜか、ひっかかる部分があるのでそれを確かめにいきたくなった
ということですかね。一度目の感想で家に帰って、
ぼ~~~としながら、感想でも書こうと思って、
何故か考えてしまったんですよ。色々とね・・・・笑
観終わってすぐにパ~~と忘れて現実世界に戻ることのできる
作品もありますが、この作品の場合、あとを引くんですよね・・
感動したからもう一度観にいったというよりも、なぜ、気になるのか
ということを確かめにいくために、もう一度出かけたということかな・・・。結果、2回目においても実に淡々として鑑賞しました。
おいおい・・・・・笑
この映画は、あまり説明だてた描写がないんですよね。
それゆえ、観ている私たちがどれほど、
察することができるかで、ストーリーの理解度も変わってくると
思うんです。相手のことをどれだけ、理解できるかで、
一つ一つの行動の意味の深さを知ることになるのです。
だから足を運びたくなったのかもしれませんね。
自分の覚書にもしたいので、かなりネタバレです・・。
イニスとジャック。
彼らは仕事仲間として出会います。
周りから遮断された孤独な仕事場。2人だけで語り合うことで
お互いを理解し始め、苦労を共にすることで
連帯感が生まれる・・・。ジャックは・・・・
どうも、自分の性癖に気づいている部分がありそうです。
これはなんとなく・・・・ですが・・
視線が物語っていたように感じます。ジェイク君ってもともと
ウルウル系の目なので、余計、情がわきますよね。
性格的にも、自分の感情を押し出すタイプなので、自分の
欲望の対象がどこにあるのかは、素直に意識できたんじゃあ
ないのかな。
一方のイニスは、ジャックに出会う前から結婚相手が
いることからも、自分が同性愛者だとは、まったく意識していなかったと思われます。いや、本当は潜在的な要素として、それはあったのかもしれないけれど、過去のトラウマ(父親がゲイのカップルの片割れを殺した・・)ゆえ、自分自身も気づかないうちに、自分の本来の姿を
封印してしまっていたように感じます。
唐突に思えるテント内での肉体関係ですが、
↑のように考えれば、すんなり納得はできます。
一気に感情が爆発したと解釈できるでしょう。
もちろん、同じようなシチュエーションでも、行為に及ばない人は
いっぱいいるわけですよね。淋しいだけとか、友情があるから
だけで、行為まではいきつかないでしょう。やはり
その気があるもの同士と思わずにはいられませんよね。
そう考えると、これはまさしく、どんぴしゃ!!、
貴重な出会いでもありますよね。
2人は、初めての行為のあと、自己嫌悪に落ち(イニスの方か・・)
あれは一度きりだ・・と
確認しあいます。
社会的に認められていない行為と考えていた分
自分達が許せなかったところがあるのでしょう。
とくに、イニスにとってはゲイであるという事実を認めるということは
非常につらいことだったに違いありません。(それは過去のトラウマから・)しかし・・・言葉とは裏腹に
体は相手を求めてしまう。
ああ・・・これは理屈では止めることのできない、
人間の性なんだと観る者は気づくのです。誰が彼らを責めることが
できましょう。人が人に惹かれるというのは、もはや理屈では
解せないのだとも気づくのです。
戸惑いながらもジャックに寄り添うイニスを、そっと受け入れるジャック。 「いいんだよ・・・自分に正直になって・・」
とでもいいたげでしたね。迷いが吹っ切れたぶん、2人はただ、相手だけを見つめる
至福の時間を過ごします。それは・・・ブッロクバックマウンテン
だけが知っている秘密。でもかけがいのない大切な日々。
ここらへんの経緯は個人的には好きです。
もちろん、そこに行き着くまでのお山での生活も当然
見所だったわ・・・と感じております。
羊さんとの交流・・?・・笑
いや、お仕事風景や、お食事の支度など(豆ばかりだったけれど、一度食したいわ)
自然に恵まれた中での生活ぶりは、清清しいものでしたし、
なぜか癒されるものがありました。大自然の中であったことも
2人の関係を、素直に受け入れ、至福の時間を温かく見守る
ことができたのかもしれませんね。
でも、逆に山から降りてからは状況は一変します。
麓の世界はすべて現実。社会の歯車の中に組み込まれていくしかない
2人にとって、独自の世界を確立することは非常に
困難だたのですよね。
そこで私の感情も少しずつ変わってくることに
なるのです。
20年にわたっての愛の継続ということが
実は実感としてよくわからない部分があります。
1人の人を同じ気持ちのままで思っていられるということは
非常に困難なことであると思っているからでしょうね。
愛は形を変えていくものだと感じるから。
皮肉な言い方だけど、彼らが生活を供にしなかった、あのような
関係だからこそ、20年という長い月日まで関係が持続できたのでは
ないのかな・・・とさえ感じるのです。
彼らの愛したものってある意味、あの頃の
美しい日々だったのかもしれませんよね。
あのままの心で永遠にいられるなんて
それは綺麗ごとでしかないんじゃあないかな・・って思っている
私がいたのも事実ですね。それがどこか冷静に
観てしまった部分でもあるのかもしれませんね。
彼らが別れてから4年。
それぞれは、家庭を持ちます。子どもも生まれます。
時代も、社会の仕組みも当然、そうだったのだから、
当たり前の行動だったのでしょう。
でも、帰るところがあるという基盤を作ってからの
行動がどうしても気になっていたかな。
結婚にたいして、家庭に対しての責任の部分で
どうも解せないところがあったかな。
それはやっぱり私の結婚観や、男にたいする理想像を
どこかで照らし合わせていたところがあるからだと思うんですよね。
ここで私が女だという意識をとっても感じたわね。
もちろん、妻ということや母ということもね。
だからこそ、再会後の彼らが、あまりにも家庭、うん・・妻よね
の存在を意識しなくなっていくという過程が
許せないでいたのかもしれないです。
数ある中から選んだ女性ということは、なにかしら惹かれるものがあったのでしょう。ジャック、イニス双方間で
交わす感情とはまた違ったものを妻達には持っていたには
違いないと思いますが、それが相手に説明たてることもなく
壊されていくのはやはり観ていては耐えられなかったですね。
浮気相手に嫉妬されることもない妻の存在って
そりゃ・・・・残酷なことですよ。妻と寝ても、嫉妬されないんですからね。あら・・完全に妻の気持ちだね・・・・笑
イニスの結婚生活ぶりが
描かれますよね。一見、幸せそうにみえるのに、心の中では
はジャックを思っていたということですよね。
1人の人を思い続けるということは純粋な愛情であるといい、それが他人の思いを無視した上で成り立つ
感情だとしても人はそれは正当化してしまう。
もちろん、それが不倫だって同じだろうけれど今回の場合、なぜか私
厳しい見方をしてしまいました。それは妻が事実を知っていながらも
それを責めることもせず、黙って見守っていたという健気さに
あるのかな・・・とも感じます。
それは相手が男だったから?どうかな・・・そうなのかな。
周りを傷つけない愛など存在しない・・
そう・・存在しないのですよ・・・でも・・・・でも・・
あの奥さんは可哀想だったのよ。・・。それだけ、リアル感があったのかもしれないわね。
イニスは、奥さんを抱く時・・
「避妊して・・・」という奥さんの言葉に「俺の子どもを産む気が
ないのなら抱かない」といいましたよね。
これがね。。。決定打だったね・・・笑
私は解せないのですよ。これはすでに2人の関係が冷めた証拠だと思ってはみても、そんなひどい言葉を投げかけてしまう人間性が
どうも解せないのですよ。
みんながそれぞれ苦しんでいる・・・もちろん、イニスが
苦しんでいたのはよくわかりますよね・・
でもいつまでも自分本位なところが、ちょっとね・・・・って思いましたね。
愛・・愛・・・そうだよね・・・・。愛する人だけを見つめていたいから周りなんてみえない?よね。
恋愛が全てか・・・・。人生において全てになっているのか・・。
そういう思いって自分には今ないような気がするので
ある意味うらやましくも感じているのかもしれません。
家族にすまないと、こちらのほうに罪悪感も
感じながらの逢引だったら、もうちょっと感じ方も変わってきたと
思うのにそれがなかった・・・・。イニスの苦悩は、ジャックと一緒に
なれないこと・・・・。その純な思いが、
周りを見えなくする思いが、怖かったりもしました。
愛って残酷だよね・・本当に。
ジャックに対してだってイニス、もうちょっと労わってあげてよ・・って思いましたね。
いくらトラウマがあったとしても、もう少しなんとかしてあげたら
良かったんじゃないの。会いに行くのはいつもジャックだったし。
可哀想よ・・ってね。
彼は彼なりにどうしようもなかったということだろうけれど。
イニスの不甲斐なさがどうしようもなく私はいやだったのかもしれないよね。
自分に輝かしい素敵な想い出があるとしてそれを
永遠に自分のものにしたいのならば、そこで時を止めることだと
思います。前に進まず、そのままの形で
しまいこむべきでしょう。純愛はそれでこそ、形になるのかも
しれないな・・・なんてそんなことをちょっと感じたりも
しました。
色々言っていますが、
これほど、自分の思いをぶつけることができる作品は
やっはりクオリティーが高いのかもしれないわ・・・と
今になってしみじみ感じているこの頃です。
ヒース・・・もジェイクも以前から好き♪
良かったわ。素晴らしい演技だったわ。
今回、ヒースの変わりように驚いたわね。すっかり雰囲気が変わって
いました。

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