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チャーリング・クロス街84番地

チャーリング・クロス街84番地 (1986  アメリカ)

84 CHARING CROSS ROAD


監督: デヴィッド・ジョーンズ
製作: メル・ブルックス
ジェフリー・ヘルマン
原作: ヘレーヌ・ハンフ
脚本: ヒュー・ホイットモア
撮影: ブライアン・ウェスト
音楽: ジョージ・フェントン
 
出演: アン・バンクロフト(ヘレーヌ・ハンフ )
アンソニー・ホプキンス ( フランク)
ジュディ・デンチ
ジャン・デ・ベア
モーリス・デナム
エレノア・デヴィッド
マーセデス・ルール


NY在住の女流作家ヘレーヌ・ハンフが
新聞広告で見たロンドンの古書店に
注文を出すと、店主から丁寧な返信と
共に目当ての本が送られてきた。
彼女はそれから事あるごとに本の注文とともに、
手紙を出すことに。2人は文通の間柄になる。



感想  随分前に地味映画としても紹介されていたこの作品。こちらね・・Tea Pleaseの瞳さんサイトまた最近では悠雅的生活の悠雅さんのサイトでも名前を
発見!! こんなにも評判いいなんて・・・と鑑賞意欲がふつふつとわいてきてしまいました。
読書の秋でもありますし、今回挑戦。

確かに、地味でしたが、とても素敵なお話でした。
温かい人間同士の関係が
伝わってきて
心がぽかぽかしてくるような作品です。
男と女はすべて
好きか・・嫌か・・・・・というような
はっきりした
答えしか用意されていない
というわけではありませんよね。
恋愛的な目で物事を
見すぎている私たちには
こういった
微妙な関係って
なぜか新鮮に感じられます。
考えてみれば
この2人のように
人間と人間の結びつきが
素晴らしいと思える関係って実は
世の中、いっぱい転がっているんじゃないかな。
むしろ、恋愛という枠組みを
ちょっとはずしてみた方が
長続きするし、
いい関係が保たれるような
気がします。

送られてきた本の感想を
率直に綴るアメリカ在住の作家。
・・・まあ、なんて正直に物をいう方・・・・・と苦笑いを
覚えることもありました。
でもそれは本を愛しているからこその
嘘いつわりのない意見&感想。
それが充分手紙文で
感じ取れるからこそ、
古本屋の店主の返信は
誠意に満ちた文章だったに
違いありません。こんなにも本を愛し、大切にしてくれる
お客様ならば、
なんとかご期待にそえるようにしたいという心持ちになるのは
当然のこと。
文章からにじみ出てくる相手の人柄に
ふれることができたからでしょうね。
もちろん、英国紳士だからこそ、
丁重な手紙を書くことができたともいえますけれどね。
でもやっぱり
人柄は文章にでますよね。
これは、手紙という形では
ないけれど、ブログで感想を書いている自分だって
感じることがありますもの。
誠意をもって人と接することができる方というのは
やっぱり、文章に出てくるんですよね。


イギリスとアメリカ。
2つの国における社会情勢も
手紙文で、わかるようになっています。
これが結構、面白かったです・・。

戦中戦後の食糧難時、
ロンドンの古本屋の店員達が
困っていると聞きつけると
早速、作家は、
手に入れることができるものを
送ります。
困った時はお互い様とでもいうように・・。

イギリスでよく出てくる
ティータイム。
ここでも出てきました。
「お茶なしの人生なんて耐えられない」。
言葉で聞くとあらためて日常不可欠なものだと感じます。

アメリカの作家が
映画を観るシーンもありました。
デヴィッド・リーン監督作品『逢びき』。
映画を通して英国の雰囲気を味わっていたのでしょうか。
あの地に文通相手の方が・・いるのね・・
と、しんみりした気分になっていたのでしょうね。


ヘレーヌが次々と注文していく本のタイトルは
残念ながらあまりよくわかりませんでした。
「自負と偏見」だけはピン!ときましたけど。
勉強しなちゃ・・・笑

イギリスでのクリスマスの風景も
素敵でしたね。
店主のフランクは、お家で子供と
ツリーの飾り付けをするのですが、
子供思いの穏やかなパパという感じが伝わってきて
見ていて心が和みました。
奥さんのノーラは、
お料理も上手そうで・・・・理想的な家庭の姿。

最後にフランクの妻ノーラ
の手紙文も紹介されますが(奥様はジュディ・デンチ 。
当たり前ですが若いです・・・笑)
ちょっと複雑な思いも感じていた様子。
それはうらやましいという・・思いでも
あったのかな。
彼女はアイルランド人で
「主人と違って私はアイルランド気質で・・・」と
手紙で書いているように・・ダンナ様とは
性質的には違うよう。
お仕事に関するお話はあまりできなかったのだと
思いますね。
あくまでも・・主婦業に徹していたという感じ・・。
だから、ダンナ様の好きな本のお話で盛り上がることが
できるヘレーヌがちっぴリ、うらやましい・・・
でもそんな感情も年月がたてば
いい思い出となるのかもしれませんね。


顔の見えない相手。
でも2人の心は繋がっていたのですよね。
2人の間柄は
プラトニック・ラブ、友情とどちらにも
取れますが
私は友情という言葉をあえて使いたいですね。



長い間続いた文通期間。
20年の歳月が重みをもって
感じられます。

こんな付き合い方ができた2人は幸せよね・・・

そんなことをふと
感じました。


いい本・・いい映画を
誰かと共有できるということは
なんて素敵なことでしょう。
この映画を観ると
ふらふらと本屋や(ビデオ屋でもOKよ・・笑)に足を運びたく
なりますね。SPA-11111.jpg

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チャーリング・クロス街84番地

ニューヨークの女流作家とロンドンの古書肆の男

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この時代だからこそ・・・

みみこさん、こんばんは。
これをご覧になるきっかけになれて嬉しいです。
わたしもこれは友人の強いお勧めで観たのです。(彼女が、これはわたしが好きだろうと確信してたみたいだけど)

この時代だからこそ、20年続いた文通。
今なら、ネットだ、飛行機だ、カード決済だ…と便利だけど夢がないわ(笑)

わたしは、このふたりがもしいつか会えていても、
どちらも友情以上には発展させないだろうけれど、
心の奥では、恋と呼べる感情があったのだろうと思っています。
そこが、大人なんですよね…素敵なお話でした。

悠雅さんへ

こんにちは。
素敵な映画紹介していただいて
ありがとうございます~♪

本当、今は便利な時代ですものね。

やっぱり・・・恋心・・

ありますか・・そうでしょうね。

<友情以上には発展させないだろうけれど

ここは難しいですよね。

大人って色々大変ですよね・・・

切ない思いを感じるのも、一歩とどまっているからでしょうね。
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