一億百万光年先に住むウサギ 著 那須田 淳
一億百万光年先に住むウサギ 著 那須田 淳
感想 「理論社のYA!シリーズ」の広告で知ったこのお話。
表紙のゾーヴァの絵と舞台が湘南というところに惹かれました。
ちなみに ミヒャエル・ゾーヴァ
1945年ドイツ、ベルリン生まれ。ベルリン芸術大学を卒業後、美術教師を経て画家に。1995年、現代を的確に諷刺した画家に与えられるオラフ・グルブランソン賞受賞。
フランス映画『アメリ』では、主人公の部屋に飾ってある絵やテーブルランプなどをデザインしています。
絵はこちら・・http://www.1101.com/sowa/2006-02-03.html
著者の那須田さんという方は初めて。
ドイツにお住まいだとか。他の作品も読んで観たいです。
さて↑の作品。
物語の雰囲気にどれだけ浸れるかで
好みが分かれると思います。
私はどっぷり入り込めて好きな本でした。
ファンタジー色が多少あるので、出てくるキャラが皆
現実離れしたところはあります。
主人公を含め
登場してくる人物達が
皆トゲトゲしていないところがいいです。
仲間意識も強く、どこか温かい感じがしますね。
全体的に流れる時間が緩やかです。
ファンタジー的な要素の入れ込みは
そんなに多くないのですが、その入れ込み方が
うまいのですよね。
(ときどき描かれるウサギがキュート)
ミステリー的な要素もあるのですが、ハラハラ・ドキドキ感は
なく全体的なトーンは穏やか。
ゆったりとした時間の流れが、舞台になる鎌倉の街の
合います!!いいです。
そもそも描かれる街が好きなので
入り込みやすかったのかもしれません。
引退した大学教授の足立先生が語る
恋樹の話。(ココからファンタジックですね・・)
恋樹とは・・北ドイツのオイティーン湖畔のドーダウアーの森にある
樫の木で、今や恋の成就を願う若者達の聖地。
この樹の洞であるカップルの愛の書簡を交換したところ
やがてそのカップルは結ばれたという・・。
それを聞きつけ、この木の洞には
多くの手紙が投げ込まれ、やがて村が樫の木にポストをかけて
専用の住所まで作ったそうだ・・。
そんな言い伝えから始まるこの物語。
足立先生はドイツ文学の教授でこんな伝説を近所の少女達に
したそうです。すると、
少女達は
自分たちの住んでいる街にある古木に手紙を出したいと
いいます・・。
先生は成り行きから少女達の恋の手紙を読み、その答えを書く、
恋の相談役になってしまったのです。
先生はまるでウサギ仙人のよう・・・・・
遠い宇宙の彼方一億百万光年先から舞い落ちてきて
桜の古木に住みついた聖なるウサギのお使い仙人なのだという少女達・・
↑なんて素敵な話でしょう。
確かに夢心地の話ですが、聞き入ってしまいますね。
それを信じる少女達の存在もいいですね。
例えば「人はどうして恋をするのでしょう」という少女の
手紙に足立先生はこう答えます。
「恋は一つの燃えるような衝動であって愛は暖かな温もりみたいな
一つの状態であろう。人を好きになるのに理屈などないのだと思 う・・・」
先生!! さすがに教授です・・笑
そんな先生の家族関係も絡めて
物語りは進んでいきます。
中学3年の主人公翔太は隣の家である便利やサスケ堂で
週に一度バイトをしています。
冒頭に出てきた足立先生の恋相談での手紙の代筆もその一つでした。
翔太の家は腰越商店街通りから一つわきに入ったせまい路地にあるコーヒー専門店の喫茶店。
家族は以前、横浜に居たのですが
パパがオーケストラでの仕事を(トランペット吹き)
解雇されたため、急遽ママが働くことに。
調理師免許を持っていたママは知り合いにこちらの店を紹介されて
初めはオーナーとともに仕事をしていたのですが、
そのうち住み込みマダムとして働くようになったのです。
結局、家族全員でアムゼル亭で暮らすことに。
パパは皿洗いを手伝う程度で、あとは家事全般を担うという
ことになってしまいます・・。
主人公、翔太のまわりにいる人々が
個性的で面白かったです。
大学教授の足立先生を初め、サスケ堂の店主佐助さんと奥さんのジャーナリストの久美さん。
歯医者の陽子さん。
翔太の喫茶店で流れる曲は
ドリス・デイの「ケ・セラ・セラ」
ヒッチコックの映画「知りすぎていた男」で有名な曲ですね。
読んでいる自分も
翔太の喫茶店に入り浸っている気になります。
ストーリーは先代マスターと奥さんとの話。足立さんの息子
俊彦さんの娘で、足立さんの孫でもあるハーフのマリーの
盗難事件。
ケイの出生の秘密や、佐助さんの過去、翔太の恋の行方(マリーとケイ
両方からアプローチされる・・)
などなど・・・、色々絡めてあります。
読み応えはありますね。
この物語には素敵なお店とおいしそうなお料理がいくつか
紹介されます。
こういうお店はありそうですよね・・
まず佐助さんが紹介してくれる汁粉屋さん。
おばあちゃんが経営しています。
アンティークショップみたいですごく雰囲気があるお店。
灯油式の大きな達磨ストーブが
たかれていて、やかんがその上にのっているお店って
いいですよね・・。どこか懐かしく温かさを感じます。
そこで食べる餅入りの汁粉。
ここでもレトロな音楽が流れるんですよね。
そして、先代マスターが作ってくれるチキンサンド。
僕のチキンサンドはうまいぞ~~~
というマスター・
おいしそう★
トーストしたパンにマーガリン・マヨネーズを塗り
ちぎったレタスとバジルに鶏肉を載せ、もう一度マヨネーズ
をかけ、パンを合わせる。それを半分に切って、さらに
盛り付ける。
早速自分でも作りたい★
ケセラセラ~~~♪
なるようになるのよ♪
音楽を聴きながら美味しいコーヒーを飲みながら
こういう物語を読んでみるのもいいかもしれません。

ちなみに
今・・佐藤多佳子さんの「黄色い目の魚」を読んでいますが
こちらも舞台が鎌倉なのですね。偶然~~
感想 「理論社のYA!シリーズ」の広告で知ったこのお話。
表紙のゾーヴァの絵と舞台が湘南というところに惹かれました。
ちなみに ミヒャエル・ゾーヴァ
1945年ドイツ、ベルリン生まれ。ベルリン芸術大学を卒業後、美術教師を経て画家に。1995年、現代を的確に諷刺した画家に与えられるオラフ・グルブランソン賞受賞。
フランス映画『アメリ』では、主人公の部屋に飾ってある絵やテーブルランプなどをデザインしています。
絵はこちら・・http://www.1101.com/sowa/2006-02-03.html
著者の那須田さんという方は初めて。
ドイツにお住まいだとか。他の作品も読んで観たいです。
さて↑の作品。
物語の雰囲気にどれだけ浸れるかで
好みが分かれると思います。
私はどっぷり入り込めて好きな本でした。
ファンタジー色が多少あるので、出てくるキャラが皆
現実離れしたところはあります。
主人公を含め
登場してくる人物達が
皆トゲトゲしていないところがいいです。
仲間意識も強く、どこか温かい感じがしますね。
全体的に流れる時間が緩やかです。
ファンタジー的な要素の入れ込みは
そんなに多くないのですが、その入れ込み方が
うまいのですよね。
(ときどき描かれるウサギがキュート)
ミステリー的な要素もあるのですが、ハラハラ・ドキドキ感は
なく全体的なトーンは穏やか。
ゆったりとした時間の流れが、舞台になる鎌倉の街の
合います!!いいです。
そもそも描かれる街が好きなので
入り込みやすかったのかもしれません。
引退した大学教授の足立先生が語る
恋樹の話。(ココからファンタジックですね・・)
恋樹とは・・北ドイツのオイティーン湖畔のドーダウアーの森にある
樫の木で、今や恋の成就を願う若者達の聖地。
この樹の洞であるカップルの愛の書簡を交換したところ
やがてそのカップルは結ばれたという・・。
それを聞きつけ、この木の洞には
多くの手紙が投げ込まれ、やがて村が樫の木にポストをかけて
専用の住所まで作ったそうだ・・。
そんな言い伝えから始まるこの物語。
足立先生はドイツ文学の教授でこんな伝説を近所の少女達に
したそうです。すると、
少女達は
自分たちの住んでいる街にある古木に手紙を出したいと
いいます・・。
先生は成り行きから少女達の恋の手紙を読み、その答えを書く、
恋の相談役になってしまったのです。
先生はまるでウサギ仙人のよう・・・・・
遠い宇宙の彼方一億百万光年先から舞い落ちてきて
桜の古木に住みついた聖なるウサギのお使い仙人なのだという少女達・・
↑なんて素敵な話でしょう。
確かに夢心地の話ですが、聞き入ってしまいますね。
それを信じる少女達の存在もいいですね。
例えば「人はどうして恋をするのでしょう」という少女の
手紙に足立先生はこう答えます。
「恋は一つの燃えるような衝動であって愛は暖かな温もりみたいな
一つの状態であろう。人を好きになるのに理屈などないのだと思 う・・・」
先生!! さすがに教授です・・笑
そんな先生の家族関係も絡めて
物語りは進んでいきます。
中学3年の主人公翔太は隣の家である便利やサスケ堂で
週に一度バイトをしています。
冒頭に出てきた足立先生の恋相談での手紙の代筆もその一つでした。
翔太の家は腰越商店街通りから一つわきに入ったせまい路地にあるコーヒー専門店の喫茶店。
家族は以前、横浜に居たのですが
パパがオーケストラでの仕事を(トランペット吹き)
解雇されたため、急遽ママが働くことに。
調理師免許を持っていたママは知り合いにこちらの店を紹介されて
初めはオーナーとともに仕事をしていたのですが、
そのうち住み込みマダムとして働くようになったのです。
結局、家族全員でアムゼル亭で暮らすことに。
パパは皿洗いを手伝う程度で、あとは家事全般を担うという
ことになってしまいます・・。
主人公、翔太のまわりにいる人々が
個性的で面白かったです。
大学教授の足立先生を初め、サスケ堂の店主佐助さんと奥さんのジャーナリストの久美さん。
歯医者の陽子さん。
翔太の喫茶店で流れる曲は
ドリス・デイの「ケ・セラ・セラ」
ヒッチコックの映画「知りすぎていた男」で有名な曲ですね。
読んでいる自分も
翔太の喫茶店に入り浸っている気になります。
ストーリーは先代マスターと奥さんとの話。足立さんの息子
俊彦さんの娘で、足立さんの孫でもあるハーフのマリーの
盗難事件。
ケイの出生の秘密や、佐助さんの過去、翔太の恋の行方(マリーとケイ
両方からアプローチされる・・)
などなど・・・、色々絡めてあります。
読み応えはありますね。
この物語には素敵なお店とおいしそうなお料理がいくつか
紹介されます。
こういうお店はありそうですよね・・
まず佐助さんが紹介してくれる汁粉屋さん。
おばあちゃんが経営しています。
アンティークショップみたいですごく雰囲気があるお店。
灯油式の大きな達磨ストーブが
たかれていて、やかんがその上にのっているお店って
いいですよね・・。どこか懐かしく温かさを感じます。
そこで食べる餅入りの汁粉。
ここでもレトロな音楽が流れるんですよね。
そして、先代マスターが作ってくれるチキンサンド。
僕のチキンサンドはうまいぞ~~~
というマスター・
おいしそう★
トーストしたパンにマーガリン・マヨネーズを塗り
ちぎったレタスとバジルに鶏肉を載せ、もう一度マヨネーズ
をかけ、パンを合わせる。それを半分に切って、さらに
盛り付ける。
早速自分でも作りたい★
ケセラセラ~~~♪
なるようになるのよ♪
音楽を聴きながら美味しいコーヒーを飲みながら
こういう物語を読んでみるのもいいかもしれません。

ちなみに
今・・佐藤多佳子さんの「黄色い目の魚」を読んでいますが
こちらも舞台が鎌倉なのですね。偶然~~
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