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雨上がりの駅で

雨上がりの駅で

 (1996  イタリア)
監督  ピーター・デル・モンテ
出   ミシェル・ピコリ(コジモ)
    アーシア・アルジェント(コラ)

コラは、気ままなその日暮らしをしている19歳の少女。
ある日、アルバイト先の女性から、少々認知症の疑いがある
父親コジモの尾行をして欲しいと依頼される。
コラはコジモの様子を詳細に電話連絡して教えていたが、
ある日、コジモは列車に飛び乗って、遠方に出かけてしまう・・。迷いながら追いかけるコラ・・・。
旅の途中、実の兄をはじめ、色々な人物と係わり合いをもつよいうになるコラ。やがて、コジモと話す機会を得るようになり、旅の連れとなっていく・・。

 感想・・主演の彼女の方・・アーシア・アルジェントは
映画監督のダリオ・アルジェントの娘さんです。
独特の雰囲気があるんですよ。意外と気に入っている女優さんなんですけどね。
もう1人の主演は名優ピコリさんです。
 地味ですね・・この映画。
老人と少女のロードムービーで、少女は老人と接することで
新たな自分を見つけ出していくというのが、テーマです。
観た人の感想が大きく分かれる作品のような気がします。
 悪くはないと思います。
むしろ好きなタイプの作品。
主演2人は、それぞれの役をとても魅力的に演じていたと
思います。特に、自分の生き方を見つけ出せないでもがいている
コラという少女は、演じる上では難しかったのでは。
 彼女の変化がこの物語での一番の見所だと思うのですよ。
だから彼女の気持ち、生き方、戸惑いに多いに共感できたのなら
この物語は面白く感じると思うのですが、私は、わからないところがいくつかあったのですよ。だから手放しには良かったと
いえないお話だったかな。
 彼女は、気ままに楽しく暮らしている子。
恋人?男友達?も何人かいるみたいだけれど、他人に心をさらけ出して付き合うことをしないようで、いつもぎすぎすしてしまうみたいね。自分の心の中にバリアーを張って、それ以上、他人に
踏み込んでもらいたくないというところがあるのね。
女友達とはさすがに、けんかまではいかないけれど、それでも
親友というほどの関係は築けないでいるみたい・・。
だから、彼女のことを理解し、大事にしようとする人はけして現れないの。
心は孤独なのね。
そんな彼女が老人と出会う・・・。この老人は、軽い認知症を
患っていて、放浪癖があるのだけれど、彼女のことは興味をもってくれて、旅の道連れとして認めてくれるのね。
たぶん・・それは彼女にとってうれしいことだったと思うの。老人の世話をやくことで、相手が自分自身を
必要としていることを確認できるからね。
 そんな彼女は旅の途中で、兄と出会うのだけど、
どうも過去になにかあるよう・・・。母親は自殺?したのかな・・・?兄とはなぜ、別れて暮らしているのかな?
ローマで1人で暮らすまでにはどういった経緯があったのかな?とそこで疑問を感じるわけ・・。背後関係を探る必要もない物語もあるけれど、この作品では、なぜか、気になってしまったのね。意味ありげに兄が出てくるからだと思うの。
後半、彼女が突飛な行動にでるのを、イマイチ理解できないのは
彼女のキャラが自分の中で完璧に理解できていないからだと
思うのよね。 
 そこをクリアーできれば、かなり満足のいく作品に
なったのにな~と思うと残念ですね。
 
老人のエピソードも、ムクドリを連れて誰かに会いに行くために
列車に飛び乗ったということまではわかるけれど、
その後が、尻切れトンボのようになってしまっているしね。
それは本当のことなのか・・・たわごとなのか・・・。
もし本当のことなら、どういう想い出の為にそこまで
思い込んで行動したのか・・・もうちょっと説明してくれても
良かったのにな~~~って思いましたね。

ラストが、ものすごくいいのですよ・・・この映画。
だから、余計、物足りなさが目についてしまったのだと
思います。そのことに目も向けないで、ただ、2人だけの
関係を追っていけたのなら・・人によっては満足を得る作品なのかもしれないな~~~って思いました。
イタリアを駆け回るロードムービーなのですが、
映像は、明るく綺麗というものではなかったかな。
もの悲しさを感じる映像でした・・・。あ・・・でも
老人の放浪場面はコミカルさを漂わせてはいましたけれど・・・
どうも微妙だな・・。

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『雨上がりの駅で』 雨降って地固まる

梅雨にちなんで、雨映画シリーズ第2弾。早くしないと、梅雨明けちゃう(笑)。原題『Compagna di viggio』=旅の道連れ、という意味の通り、一種のロードムービー、というのでしょうか。実際に旅をしながら、自分探しの旅もする、といった。台詞も少なく、動きも少なく。世

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