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明日この手を放しても   著 桂望実

明日この手を放しても   著 桂望実





19歳の時に失明した妹、凛子。
文句ばかりの兄真司。
漫画家の父親が突然失踪。
今まで、合わないと思っていた兄妹だったが
2人で協力して生きていくしかない・・・・



感想   思ったより明るめのお話でした。
元気になれる・・・って感じかな。
感動した・・というところまではいきませんでしたけれど、
面白く読むことができました。
サクサク展開していくのでとても読みやすいですしね。

設定は暗めなんですよ。
主人公が途中失明者の女性で、彼女の父親が
突然、失踪してしまうという流れ。
この先、不安を感じますよね。
でも、苦労話が詰まっているっていうわけではないの。

父親が失踪した時点で
残されたのは彼女と兄一人。母親はすでに他界しているわけ。
この兄というのが
長男というには自覚が足りない人でね・・・。
父親が失踪しても、あまり動じなかったりするの。
そのうち帰ってくるさ・・・って危機感を感じなかったりする。
性格的には
文句ばっかりいって、短気。
行動も自分勝手で相手のことを考えなかったりするの。

だから恋愛にかんしてはいつも長続きせず
振られてばかり。

対する妹はしっかりもので、潔癖気味。

今まではそりがあわなかった2人だけれど、
父親がいなくなった今、
協力しなければ生きていけないじゃない?
たった一人の妹だし
たった一人の兄なわけだから。

2人は父親が残した漫画のあとを引き継いで
漫画関係の仕事を始めるんですよ。
妹は失明している自分をモデルにした漫画の原作を書いて
兄はそのマネージャー的な仕事を任されます。
もちろん、兄は
一応ブライダル関係の定職ももっており
そちらの方も、なんとかバランスもってやっていくのですが・・・。
まあ・・・色々あります・・・。


そんな2人に関する数年の出来事が
各章ごとに兄と妹が語るという構成で
綴られていきます。



年月が流れる中で
変わってきたのは兄かな・・・
今まで妹の目のことに
気遣いなどみせていなかったけれど
次第に、労わる心を見せてくるの。


そういう兄妹の、絆のありようが
ちょっぴりユーモラスにも描かれており
血のつながりって、兄妹の関係っていいな~~~と
ほろりと思わせるところがよかったです。



編集者の西尾氏って
もっといい人だと思っていたんだけれど
話の展開をみるとやっぱり、俗っぽい人だったんですよね
ちょっと残念。
すこしは恋愛対象として浮上してくると思ったのに・・・
また、父親の失踪は、結果、兄と妹の絆を深めるための
出来事だったとしても
やはり気になります。
どうしているんだろう・・・・と妹が口にするたび・・
こちらも気になるのです。
本当・・・どこいったんでしょうね・・・笑




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明日この手を放しても 桂望実

装画は菅野裕美。装幀は新潮社装幀室。書き下ろし。 19歳で途中失明して夢を失った篠田凛子。 向日葵のようだった母を交通事故で亡くして...

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続編とか…

こんにちは。
みみこさん、読みたてホヤホヤだったんですね(笑)
私も編集者の人が彼女と結ばれるのかと思って読んでました。
ちょっと俗っぽい扱いにがっくりしました…。
父親のことも気になるし続きを書いてほしい気もします。
でもそこはそれぞれ読者が想像をめぐらせて展開すればいいのかな~?

最近読んだの

そうなんですよ・・・
リクエストは前からしていたのですが今頃手に入って・。
Mamさんも読まれているわ~~とチェックしていたので読んだ折にはコメントいれようと思っていました。
素敵な恋模様も想像していたんですけどね・・。
そうですね・・
これは自分達でその後を想像するしかないですよね。
お父さんは案外、どこかで幸せに生活しているんじゃないかな・・・笑
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