fc2ブログ

マリアの受難 

マリアの受難  ;(1993 ドイツ)

DIE TODLICHE MARIA
DEADLY MARIA



監督: トム・ティクヴァ
製作: シュテファン・アルント
トム・ティクヴァ
原案: トム・ティクヴァ
脚本: トム・ティクヴァ
クリスティアーヌ・ヴォス
撮影: フランク・グリーベ
音楽: クラウス・ガーターニヒ
トム・ティクヴァ
;
出演: ニナ・ペトリ
カーチャ・シュトゥット
ヨーゼフ・ビアビヒラー
ペーター・フランケ
ヨアヒム・クロール



夫、そして寝たきりの実父と一緒に暮らすマリア。
息苦しい単調な毎日ばかりだ。
ある朝、電話が鳴る。向いの住人からである。
彼は自分のことを窓の外からいつもみていた人だ。
彼と話をしてみよう・・・彼の部屋へと向かうマリアだが・・・・。


感想  トム・ティクヴァ監督のデビュー作。
「パフューム ある人殺しの物語」の公開にあわせて
上映されたようですが、あまり観た方はいないかも・・・。
たしかレイトでしたよね。
トム・ティクヴァ監督作は、「ラン・ローラ・ラン」」「ウィンタースリーパー」「ヘヴン」「パフューム ある人殺しの物語」・・と今のところ、全部観ましたので
ここまでいったら制覇ということで、レンタル。
ちなみにもう一本未公開作品も観ましたのでそのうちにUPの予定です。


まったく予備知識なしでの鑑賞。
DVDパッケージの写真が興味そそられますね・・。
悩ましい感じで・・・・。
マリアという名前とこのパッケージから若い女性を想像するのですが
全然違うのです。これにはビックリ。
中年の・・・・生活に疲れた感じの一人の女性が主役です。

けっして、手放しで面白い!!という話ではなく、
また万人にお勧めできる作品ではないけれど
この閉塞感あふれる映像はたまらない・・・・・
シュールで奇妙です。


家庭の主婦としてはいや~~~~なお話。


時計の秒針といったノイズ音が響き渡る場面が多く
全体に流れる張り詰めた空気に
息苦しさも感じます。




母親の死とひきかえに生まれたマリア。
父親はマリアを男で一つで育てるが
屈折してしまったのか、あまり子に愛情をもっているとはおもえない・・
親子というより服従関係でなりたっている・・・。
当然、思春期時のマリアの心の変化などもわかってもらえるわけでなく・・

初潮・・初めてのキス・・・
彼女の中で女が芽生えてもそれを許される
状況ではなかった・・・毎日。


やがて父親が病で倒れると
その看病に徹することになる・・・


ある日父親から宣言される結婚。


お前はこいつと一緒になれ・・・。それは父親の友達だった男。


それから、ず~~~とこの生活。
夫との間に愛情なんて何もない・・・。

家にはいまだ寝たきりの実父。
毎日その世話・・・。
お風呂に入れたり下の世話もあり・・・・
素直に介護にもしたがわず、
八つ当たりさえもされる始末。


家庭に閉じ困られたマリア
彼女を孤独の世界から連れ出してくれるのは
あの男?

自分のことを見続けている一人の男性。
彼は私に似ている・・・。

彼女は自分と同じように収集が趣味の男。
マリアの趣味は
昆虫集めであるが・・(これが凄い・・・・・)


彼と接することで自分の抑圧された気持が解放されるのを
感じる・・・


今までのマリアの心の支えは
小さい頃におばさんにもらった人形(これが妙・・・・)

心の友になっている人形に、心のうちを明かすように
毎日手紙を書くのが日課だった。

彼女の思いがそこに表れれていたのである。


そして、彼女は過去の手紙を読み返す
機会をえる・・・


甦る過去・・・・。



そしてマリアは・・・

マリアは~~~~


あ~~~~~~

お~~~~


○○したの・・・・よ・☆


一皮向けた・・・って感じですが、この描写はね・・驚きです。


そしてラストも印象的・・。


パフュームの主人公の最後や・・・

ウィンタースリーパーのラストショット・・

にも


通じるような・・・
終り方です



パフューム路線に似たものを感じますのでそちらがお好きだった人は
是非。

くれぐれも甘いラブストーリとは思わないように・・・笑

maria.jpg

スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

私も・・

これ、最近観ましたよ♪
感想はまだUPしてないんだけどね。
個人的には、とても面白かったです。(アブナイ?笑)
チクワ監督(笑)の後の作品にも通じるものが沢山ありましたね。
**するシーン・・
あれ、すっごく解ります。
人生において、女性として、一皮向けた!
・・て感じる瞬間って、ある程度生きてると(笑)あるものね。ある日突然訪れる。
決して、肉体的に、とかそう言うんじゃなくて、
うまく言えないけど、いきなり自分の感覚が丸ごと変わる様な、で、それが、はっきり自覚出来る瞬間。
それまで、自分のない状態で生きてた主人公はかなり不憫で可哀相だったけど・・あのラストって、ある意味、幸せなのかしらん~?どうなんでしょうね??

こんばんは

みみこさんはティクヴァ監督作品、全部見てるんですね。
わたしはまだ三作しか鑑賞していないので、これから追っかける予定です。
『パフューム』が大好きなわたしにとって、このシュールで不気味で、でもせつない風味のこの映画はお気に入りとなりました。
マリアが○○したシーン、一皮向けた、というところ、ああそうだったのかと納得してしまいました。
わたしは単に聖女となる彼女の夢想の産物(あの人形が介在しているのかもしれないけれど)だけだと思っていたので…。人の解釈は参考になります♪

tsurubaraさんへ

おはようございます~
わ~ご覧になっていたのですね・。
これ絶対お好みだと思い、紹介しに
伺おうと思っていました!!
面白かったですよね。こういう内容とは思っていなかったです。
マリア・・という言葉で
違った内容を想像していたかな・・。
あの○○するシーン・・。
・驚きました。
そうか・・・誰でも
そういう機会が訪れる可能性は
あるのかもしれないですよね。
感覚としてはああいう感じなのかな。
私もそのうち感じられるのかな。
あまり成長していないけど・・。
ラストはやっぱり希望がもてるって
ことなんでしょうね。
うん!幸せであると思いますけど・・。

リュカ さんへ

おはようございます~
パフューム好きな方なら
絶対お勧めですよね。
リュカさんが最近UPされた
ヤン・シュヴァンクマイエルの作品にも似た感じでしたよね(といってもあまり見ていないけど・・自分)
あ・・私、そんなに深く映画を観ているわけじゃあないので、間違った理解していることも多多ありますよ。
それにしても、あのシーンは強烈でしたね。ホラーチックでしたものね。

さっすが~(^○^)v

みみこさ~ん、こんにちは!
ティクヴァ監督の作品、全部見ているなんて、すごいわ~♪
この監督さんとはツボが合うなぁ・・とこの映画を見て、更にそれを再確認しちゃった。
新作の・・・ハリウッドで撮った映画は、なんかあんまりソソられないので見ていないんだけれど・・・

マリア~、プリンセスアンドウォーリアーと同時期にごらんになっていたのねー。
表紙は若い娘さんのちょっと怪しげな表情だったけど、実際借りて見てみたら、オバチャンだったから、うそっ(^^ゞ っと思ったわ。 若い頃の女優さんも、美人というよりは、個性的な、どこかオタクのかほりのする、内に何かを秘めた無口な少女というルックスの子で、良かったわ~。 

ティクヴァ監督ご本人ってどんなお顔の方なんだろう?と昨日はしばし検索の旅に出ちゃった。パフュームの主役の男性に少し似てるのね? ご自分のHPもあって、そこで10歳くらいの時の写真(ぽにょっとして白くて今と違う)も公開してたりしていたわ~。 

latifaさんへ

こんにちは★
全部・・といっても、最近のは未見なのよね~
ボチボチ見ていかなくては。
<新作の・・・ハリウッドで撮った映画は、なんかあんまりソソられないので見ていないんだけれど・・・>
あ~~そうよね。題材的にちょっとね・・・。

<表紙は若い娘さんのちょっと怪しげな表情だったけど、実際借りて見てみたら、オバチャンだったから、うそっ(^^ゞ っと思ったわ。>

そうね。 私もどんなピチピチの美人さんが出てくるのかと思ったら・・・
でも、ああいう個性的な人のの方がインパクトあって忘れられないわよね。
 

<ティクヴァ監督ご本人ってどんなお顔の方なんだろう?と昨日はしばし検索の旅に出ちゃった。パフュームの主役の男性に少し似てるのね?>

そうなのね==。私も検索したいわ。
パフィームの彼に似ているのね。まあ・・・★
監督さんの中には、イケメンさんも沢山いますものね。
HPもあるということなので私もじっくりみてみますね。
情報いつもありがとう~~~♪
プロフィール

みみこ

  • Author:みみこ
  • レイフ・ファインズ好き
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索
RSSフィード
リンク