カシオペアの丘で 上・下 著 重松清
カシオペアの丘で 上・下 著 重松清
1977年、小学校4年生だった4人の子供。
ミッチョ・トシ・シュン・ユウ・・彼らは故郷の北海道で
北都観音がみえる丘をカシオペアの丘と名付け、共通の思い出を作った。
そして彼らは大人になる。故郷を捨てたものあり、結婚したものもあり、と
それぞれの人生を送っていた。
しかし、ある事件がきっかけで偶然、4人は再会をする。
物語は彼らの過去と現在を交差しながら進んでいく・・・・・
感想 重松さんの長編。「疾走」に続けてですがこれも重かったです。
しかし、やるせない思いが残るのではなく、
気持ちの整理がつくような読後感ではありました。
暗かったけどね・・・。
この本、テーマとしては、許し・・・許される・・・という
ことかと思います。
これは40歳代~以降の方が読むと感慨深いかもしれませんね。
そして忘れられない恋愛がある人も・・(これはほとんどの人がそうかな・・・)
人生半分まで生きていれば色々な出来事を経験します。
皆が皆、順調に人生送ってきたわけでもありませんよね。
何か過ちを犯したり、
人には言えないことだって、いくつかもっていることでしょう。
その思いを・・苦しみと感じてしまい
今日、現在生きている人はきっと多くいるはずです。
自分を許すこと・・・人を許すこと・・・
それに気付く時っていつなんでしょう。
なにかきかっけがあるから・・・・でしょう。
例えば、自分の命が終るとわかったとき。
人は初めて過去を冷静に見つめなおし、
その背負ってきた過ちに真正面から立ち向かうことができるような
気がします。
幸せで幸せで・・・何もかもが順調なうちは
人は、過ちなど忘れてしまっているのかもしれません。
恋愛部分に関してはとってもオーソドックというか、
良くある話・・・(テレビドラマなんかにあるよね・・・)と言う感じで
あまり目新しさを感じなかったです。
東京に出てきて、偶然幼なじみの2人が大学生で出会うというのが
ちょっとご都合主意的に感じたのですね。
4人の男女のうち
東京に出てきたシュンは
不治の病に冒されます。
妻と小学生の子供がいて・・仕事も順調な彼が
突然です。
彼の病は、本の進行と共に段々と深刻になります。
読んでいてつらかったです。
病に冒され・・確実に結末は死を迎えるという流れは
想像できてしまう・・・・。
そういうのって・・・あまり読みたくなかったりするんですよね。
彼を支える妻の気持ちも
悲しみに必死で耐える子どもの気持ちも
手に取るようにわかる・・・そういう文章がたまらなく・・イヤで
つらいのです。
でも読まなくてはいけない・・・・その先を見なくてはいけないという
使命感にも似たような気持ちで読みすすめました。
でも、かつて、自分がそういう経験をしたものなら・・
耐え難いことなんじゃあないかな・・・。
正直、こういう病気ものだと思っていなかったので
イヤだな・・という気持ちは終始ついてまわりました。
幼なじみの4人だけでなく
話は子どもを殺された父親や過去に交通事故を起こしてしまった
女性にまで及び
話は幅広くなっておりました。
どの人にまつわる話も
運命の導きが悪かったとしかいえないことばかり。
だから、どうしようもないことだったよね・・・
といってしまいたくなるのです。
だって、誰も不幸せをのぞんで
行動や人生の選択をしているわけではないからです。
意志とは無関係に不幸が襲ってくる・・。
真面目に生きていても不幸は突然襲って・・
な~~んか、理不尽極まりないですけどね。
色んな思いを感じたとき、
もう俺は、私はダメだ・・・・、どうしてこうなんだ・・・と
過去を悔いるのではなく
素直に現実を受け入れ、自分自身の気持を正直に
見つめなおすことなんでしょうね。
でもこの話のように・・・迷い・・苦しみ・・・・悩むのが人間そのもの。
その当然の姿を
見せてくれた小説だったように思います。
作者のメッセージが存分に込められているようで、
やや作りすぎのところはありましたけれど、
素直な気持ちで読むことができました。
友情の厚さと家族の絆に
心を打たれた作品でもありました。
体調のよいときにお勧めします・・。


1977年、小学校4年生だった4人の子供。
ミッチョ・トシ・シュン・ユウ・・彼らは故郷の北海道で
北都観音がみえる丘をカシオペアの丘と名付け、共通の思い出を作った。
そして彼らは大人になる。故郷を捨てたものあり、結婚したものもあり、と
それぞれの人生を送っていた。
しかし、ある事件がきっかけで偶然、4人は再会をする。
物語は彼らの過去と現在を交差しながら進んでいく・・・・・
感想 重松さんの長編。「疾走」に続けてですがこれも重かったです。
しかし、やるせない思いが残るのではなく、
気持ちの整理がつくような読後感ではありました。
暗かったけどね・・・。
この本、テーマとしては、許し・・・許される・・・という
ことかと思います。
これは40歳代~以降の方が読むと感慨深いかもしれませんね。
そして忘れられない恋愛がある人も・・(これはほとんどの人がそうかな・・・)
人生半分まで生きていれば色々な出来事を経験します。
皆が皆、順調に人生送ってきたわけでもありませんよね。
何か過ちを犯したり、
人には言えないことだって、いくつかもっていることでしょう。
その思いを・・苦しみと感じてしまい
今日、現在生きている人はきっと多くいるはずです。
自分を許すこと・・・人を許すこと・・・
それに気付く時っていつなんでしょう。
なにかきかっけがあるから・・・・でしょう。
例えば、自分の命が終るとわかったとき。
人は初めて過去を冷静に見つめなおし、
その背負ってきた過ちに真正面から立ち向かうことができるような
気がします。
幸せで幸せで・・・何もかもが順調なうちは
人は、過ちなど忘れてしまっているのかもしれません。
恋愛部分に関してはとってもオーソドックというか、
良くある話・・・(テレビドラマなんかにあるよね・・・)と言う感じで
あまり目新しさを感じなかったです。
東京に出てきて、偶然幼なじみの2人が大学生で出会うというのが
ちょっとご都合主意的に感じたのですね。
4人の男女のうち
東京に出てきたシュンは
不治の病に冒されます。
妻と小学生の子供がいて・・仕事も順調な彼が
突然です。
彼の病は、本の進行と共に段々と深刻になります。
読んでいてつらかったです。
病に冒され・・確実に結末は死を迎えるという流れは
想像できてしまう・・・・。
そういうのって・・・あまり読みたくなかったりするんですよね。
彼を支える妻の気持ちも
悲しみに必死で耐える子どもの気持ちも
手に取るようにわかる・・・そういう文章がたまらなく・・イヤで
つらいのです。
でも読まなくてはいけない・・・・その先を見なくてはいけないという
使命感にも似たような気持ちで読みすすめました。
でも、かつて、自分がそういう経験をしたものなら・・
耐え難いことなんじゃあないかな・・・。
正直、こういう病気ものだと思っていなかったので
イヤだな・・という気持ちは終始ついてまわりました。
幼なじみの4人だけでなく
話は子どもを殺された父親や過去に交通事故を起こしてしまった
女性にまで及び
話は幅広くなっておりました。
どの人にまつわる話も
運命の導きが悪かったとしかいえないことばかり。
だから、どうしようもないことだったよね・・・
といってしまいたくなるのです。
だって、誰も不幸せをのぞんで
行動や人生の選択をしているわけではないからです。
意志とは無関係に不幸が襲ってくる・・。
真面目に生きていても不幸は突然襲って・・
な~~んか、理不尽極まりないですけどね。
色んな思いを感じたとき、
もう俺は、私はダメだ・・・・、どうしてこうなんだ・・・と
過去を悔いるのではなく
素直に現実を受け入れ、自分自身の気持を正直に
見つめなおすことなんでしょうね。
でもこの話のように・・・迷い・・苦しみ・・・・悩むのが人間そのもの。
その当然の姿を
見せてくれた小説だったように思います。
作者のメッセージが存分に込められているようで、
やや作りすぎのところはありましたけれど、
素直な気持ちで読むことができました。
友情の厚さと家族の絆に
心を打たれた作品でもありました。
体調のよいときにお勧めします・・。


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