悪人   著  吉田修一

悪人     著  吉田修一


九州北部で起きたある殺人事件の加害者と被害者、彼らにかかわる
様々な人間たち・・・
車好きの土木作業員・祐一は
出会系サイトで
保険外交員・佳乃と出会う――。
そして・・



感想  最後の一文がとっても印象的だった小説でしたね。
ちょっと考え込んでしまいました。
「悪人」って一体
どういう人を言うのでしょうか・・・。

人を殺した人・・・

でも人を殺さなくても
悪人と呼ばれる人は世の中にたくさんいるはずです。


最後まで読み応え充分でした。

推理小説ではないので一つの事件が起きて
犯人は誰?というわけではありません。
早い段階で、ああ・・この人が罪を犯したのね・・・ということは
察しがついてしまいます。
でも・・その状況説明は後半。
彼が何故、このような行為を犯すに至ったのか・・・。

行きつ戻りつ・・の物語展開。
被害者と加害者・・それぞれにかかわりのある人間たちが登場し
ときには、証言をするようなカタチで・・・
双方の人間像を浮き彫りにしていきます。

被害者はどういう人間だったのか・・
加害者はどういうに人間だったのか・・・。


世の中に起こる全ての事件に
多くの物語が潜んでいるとあらためて感じます
実際の事件も、私たち第三者が知りえるのは、ほんの一部分だけでしょう。

その一部分ですべてを理解したかのように思ってはいけないのだと
感じました。


この物語と同じようなことは実際起こっているんだろうな・・・・・。
それほど、現代社会での若者の孤独感や、疎外感・・・
とってもリアルに感じました。


祐一の逃亡の日々は
とってもせつないものに感じます。
唯一愛情を得られたと実感できた日々だったのでしょう。

愛を欲していただけなのに・・・

でも祐一の肩を持つわけにはいかないのです。
だって、佳乃の両親の気持ちの方がそれ以上に
響いてくるのだから・・・
どんな家庭状況だろうが、愛情不足だろうが、
人は殺すことへの、言い訳にはなりませんもの・・・。

・・・・人を殺すという行為はいかなる理由があろうとも
いけない・・・


どう捉えるかは
読み手しだいということでしょうか。
人間ってとっても複雑で悲しい生き物だな・・・って思いました。

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一緒にいたかった~『悪人』

   映画感想: 『悪人』 『悪人 #2』  朝日新聞紙上に連載され、毎日出版文化賞と大佛次郎賞を受賞し、映画化され たベストセラー...

「悪人」吉田 修一 引き込まれて読んだけれど・・・

凄く引き込まれて、一気読みしてしまいました。どうなるんだろう?と、ページをせかせかとめくらせる力量が有りました。しかし、う~ん、どうも・・・あんまり好きな小説ではなかったかもしれません。

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こちらにも☆
これ読んだのは1ヶ月くらい前で、感想は書いて下書きに入れていたものの
なんとなくここんところアップしていた記事が「いまいち・・」とか、そんなのばっかりでね。
小心者だから、文句ばっかりの記事が続けざまに並ぶと、この人文句言いたいが為にブログやってんの?とか思われちゃうかも・・・なんてw 

分厚い本だから、読めるだろうか・・・って不安になったんだけれど、ぐいぐい引き込まれて読めちゃったわ。 私は殺されちゃった子が好きじゃなくてね、多分作者の人も嫌いなタイプなのだろうね・・・。車からけっとばされて道に放り出されるなんて描写にはビックリだわよ・・・

こちらにも、ありがとう。
↑そんなことないと思いますよ。
感想は人それぞれだし。
私は前にすご~~くベタな恋愛小説を
イマイチと述べたら、ファンの方にそれってどうよ?みたいな
感じで言われたことがありますが・・・。
でも自分のブログで自分の感想述べているんだから
どう書いてもいいと思うんですよね。
だから読んだ時に気持ちがイマイチならイマイチと正直に述べても
かまわないと思いますけど。
それに対して、もし私が違う意見でも、どうしてよ・・・という反論する
気持ちは湧いてこないし、反対にそうか・・そういう見方するのね
って勉強になったりするんだけどね・・・。
大抵の人はそうだと思いますよ。

で・・・この小説ね。
人間的にどうかな・・という人物も確かにいましたよね。
リアルな世界だったと思いましたよ。
けとばすなんて・・・それはあまりにも・・・って
思いますよね。人間なんて色んな一面持っていますものね。
その人のいいところを知る人にとっては、なんであの人が・・って
ことになるんだろうけど。
まあ、あんまり楽しい小説ではなかったですよね・・・笑
あとでそちらにもいきます・・

読まれてたんですね~

みみこさん、こんにちは♪ コメントありがとうございました。
この本、かなりのロングセラーのようですね。。
私、吉田修一さんって小説も映像作品も今まで触れたことが無くて。
これは作者自ら代表作、って言ってるみたいで、読み応えありました。

ところで、みみこさんって読みながら登場人物のイメージって湧くほうですか?
私、祐一のイメージって小栗旬くんなんですよ。。ごめん、ブッキー。。
あ、でも映画の彼はとってもよかったんですよ♪

真紅さんへ


こんにちは。
本も売れているのね。
私も吉田さんの作品ってこれのみで。
他の作品も映画になっていたりしたよね。

登場人物のイメージですか。
う~~ん、読んでいる最中は、あんまり実際の俳優さんで想像してみたりしないかも
しれないけれど、
漠然としたイメージは読みながらもっているかな。

今回はそうね・・・、妻夫木君とは全然考えていなかったよ・・笑
真紅さんは
小栗旬なのね・・・。
なるほど・・・。

そういえば、小栗君、「時計じかけのオレンジ」のアレックスやるでしょ?
舞台の。こっちの方が本当悪人だよね・・・笑
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