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青い鳥   著  重松清

青い鳥   著  重松清


村内先生はひどい吃音症をもった先生で
非常勤講師として様々な学校に出向いている。
生徒達には、色々なタイプがいて
村内先生を快く思っていない子もいるのだが、
大切なことしか・・言わない・・・と宣言している先生に
次第に心惹かれていく。




感想   もうすぐ四月。学生さんは新しい学年、学校と皆、それぞれの道に
進みますが、皆がみな、希望に胸膨らませて・・・というわけでもありませんよね。
憂鬱な子もいるわけですし、不安でいっぱいの子もいるはず。
学校には、その環境に馴染んでいる子ばかりがいるわけでもないのですよね。
そういう子にこそ、是非、この本を読んで欲しいです。

いい本でした。村内先生・・・理想の先生ですよ。
説教くさいことを、語るわけでもありませんよ。
ただ、一生懸命に、自分が大切だと思っていることを、しっかり相手に
伝えるだけ。でもその言葉は、的を得ていて、確実に悩める子ども達の
心に届いているんです。

一人ぼっちじゃないよ、ボクが先生が君のことをわかってあげているんだ・・・
そういうメッセージが伝わってくるのが
正直、うれしいし、素敵だな・・・って思います。


父親が自殺をしてしまったことで苦しんでいる生徒
いじめにくわわってしまったことで悩んでいる生徒
中高一貫校の中から出ていきたくてしょうがない生徒
先生を刺してしまった生徒・・
交通事故を起こした父親をもっていることで悩む生徒・・

どのお話の生徒さんも、深い悲しみを背負っているんです。

短編は以下のとおりです。

ハンカチ/ひむりーる独唱/おまもり/青い鳥/静かな楽隊/拝啓ねずみ大王さま/進路は北へ/カッコウの卵
最後のお話の
「カッコウの卵」
この章だけは、村内先生のかつて教え子で今は社会人になっている生徒さんの
話です。そしてここに一番村内先生の人柄が出てきているように
思います。
嘘をついたこどもにさえ、責めることばを投げかけない先生。
温かいな・・・。

ちなみに「進路は北へ」で書かれていた、中学校における内部生、外部生の
隔たり。これは正直恐いです。中高一貫では、外部の生徒をとっている
学校っていっぱいありますし、進路としてこういう学校を考えている人にとってはきつい
一作ではなかったかな・・・。実際、どういう世界があるのかはわかりませんが・・・


重松さんはこういう学校における、人間関係の、微妙な部分を
的確にとらえるのがうまいです。さすがです。
私学と公立の位置関係もさりげなく表現していたり・・。
なるほど・・・と唸ることも多いです。
とにかく、子どもはリアルに感じ
大人は感動を覚える話ばかり。

こういう教師ばかりだといいのですが・・・・ね

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あなたに会えてよかった~『青い鳥』

 MY teacher cannnot  speak well.  So when he speaks,  he says something  important.  中学国語の臨時教員、村内先生には吃音があった。彼は孤独な生...

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(^ー^)

みみこさん、読んだよ~!凄く良かったわ~~。
こういう先生がいてくれたらな~って思った。
それにしても、この先生、色々な子を担当して、すごい数になってるよね。
ちゃんと全員のこと覚えてるんだな、きっと・・・・

もしかして、今まで読んだ重松作品の中で一番私は良かったかもしれない~
全然期待してなかったんだけど・・・
ただ、主演が阿部ちゃんっていうのを先に知って読んじゃったもんだから、
チラチラと阿部ちゃんの姿が頭に現れて困ったワ(^O^)

これもTBはやっぱりダメでした・・・。

latifa さんへ


こんにちは。
今こういう先生ってなかなかいないわよね。
そういう意味では理想。
先生によって子どもたちは成長していくんだな・・・・って
思いました。
どれも心に響く作品でしたよね。
阿部ちゃんが先生・・・
私も映画化を知ってビックリしましたよ。
だって、この本を読んだ段階では
想像できない方なんですもの。
もとモデルさんだもの・・・ちょっとイメージがね・。
でも演技力でこれもカバーなのかしらね。

↑頭に浮かんじゃうと・・・本当困りますよね。

TBごめんなさい。
どうして~~
もう一回調べるわ。

追加

すみません
そちらへのコメント2度書きしてしまいました
消してください・・・ごめなさい。

TBさせて下さいね

みみこさん、こんにちは~。
この本、すっごくよかったです。。中学時代って、ホント大変な時期ですよね。
私も、キツかった思い出があります。だから、生徒達に自分を重ねてしまってもう、号泣でした。
こういう先生がいてくれれば、、、と思わずにいられませんでした。
重松さんってあまり読んだことがなかったんですが、今年はたくさん映画化されていますよね。
それだけ魅力ある作品なのだろうな、と思います。
これは阿部ちゃん主演ですよね。。どうでしょうね?
ではでは、また来ます!

真紅さんへ


おはようございます~~
お読みになられたのですね・・。
いい本でしたよね・・。
中学時代って、多感な時期ですものね。
いろいろ思い悩む時、相談できる人って必要だと思います。
先生によって、その子の考え方とか行動って
変わってきたりしますものね。
影響大です。
重松さん、沢山の本を出されていますものね。
私もまだまだ・・・・です。
大人向けは結構重いものが多いですよね。
映画化もされていますが、どうなんでしょう。
原作の魅力が伝わっているのかな(みていないの)

阿部ちゃんはね・・・私は想像できない配役でしたわ。
カッコイイ系じゃないですか?
先入観があるだけで、映画見てみたら
また違うんだろうけれど。

あとで伺います。
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